第37回日本微小脳神経外科解剖研究会
会長 中尾 直之
和歌山県立医科大学医学部 脳神経外科学講座 教授
この度、第37回日本微小脳神経外科解剖研究会を、2023年4月1日(土)に和歌山市のホテルグランヴィア和歌山において開催させて頂くこととなりました。わが国における脳神経外科手術に必須の微小解剖学の発展に寄与し、今日まで若手脳神経外科医への手術教育に重要な役割を担ってきた本研究会を担当させて頂きますことを、大変光栄に存じます。
第37回目となる今回のテーマは『微小解剖を知って術野をつくる』とさせていただきました。安全、確実な手術を行うためには、適正な手術操作空間すなわち術野を形成することが重要です。『術野をつくる』とは脳・神経や血管などの微細組織を決して損なうことなく、本来の解剖学的空間を有効利用する作業といえます。術野は病変に向かっていけば自然とできるわけではありません。脳の局所微小解剖の知識を駆使して、病変の露出と対処を安全に行える場を積極的に作り出さなくてはいけません。
今日、顕微鏡手術における微小解剖学は確立されている一方で、近年の内視鏡手術や血管内治療の普及にともない、顕微鏡手術とは異なるこれらの治療モダリティーに特化した局所解剖学の重要性が増しています。今回の研究会では、従来の顕微鏡手術の微小解剖はもちろん内視鏡手術や血管内治療に必要な脳・神経、血管の微小解剖について、これから手術を始める若手からベテラン脳神経外科医まで実際の手術に役立つ教育的なプログラムを構成したいと考えております。
会員の皆様にとって有意義な学会となるように鋭意企画・準備してまいりますので、ご指導・ご支援の程よろしくお願いいたします。